レンアイかたぱると 2
レンアイかたぱると その2、 ・・・でございます。
フワフワと、書いてみたいシーンが際限なく出てきて、収拾がつかなくなってきました;;
迷走しながらの連作第二段。ほのぼのな万事屋はパラレルでも健在です。
フワフワと、書いてみたいシーンが際限なく出てきて、収拾がつかなくなってきました;;
迷走しながらの連作第二段。ほのぼのな万事屋はパラレルでも健在です。
レ ン ア イ かたぱると 2
心地好い風が吹く午前9時。
いまだ、朝の冷気を含んだそれは病院の敷地内から出ることの出来ない患者たちに、確かに移ろう四季を教えてくれる。
朝食を終えて食後の一服を楽しんでいると、食堂に続く廊下から自分を呼ぶ元気な声とパタパタと軽快な足音が聞こえてきた。
「新八ィ―――!今日もきてやったアルヨ――!」
かけてきた勢いそのままに飛び込んできた笑顔の少女に、食堂が一気に明るくなった気がするのは気のせいなんかじゃない。何時もその身にまとう深紅の中華服もいつだってこの子に華を添えて、その魅力が一層増す様だと新八は思っていた。
「おはよ神楽ちゃん。余りもののデザート食べる?」
「おはヨ食べるアル」
「コラ、外から帰ったらまず手洗いだろうが」
何時からそこにいたのか、気付けば僕の席の後ろには、今日も今日とて絶対医者なんかに見えない、白衣を突っ掛けただけのチンピラが立っていた。
それを認め、神楽ちゃんはプウと頬を膨らませ唇を尖らせた。
「・・・ウッサイアル。いまするところネ。オマエこそ便所から出て手ェ洗ったアルカ、ストーカーが」
「んなっ・・・誰がストーカーだコラ!」
「そんなん銀ちゃんに決まってるアル。飽きもせずにダメガネの傍にひっついて、朝っぱらからウザいんだヨ」
「ひっついてねェ!!!」
若干14歳の子供(神楽ちゃんにいえば怒られそうだけど)に、いいようにいわれて朝から青筋を立てている大人というものはとても見れたものではない。といっても、それはほぼ毎朝繰り広げられている光景なのでいい加減慣れてしまった。
「神楽ちゃん、そんな薄気味悪い先生に構ってないで手洗っておいでよ。残り一つだった貴重なプリンがお待ちかねだよ」
その言葉にそうだったアルと洗面所へかけていく少女はなんとも純真で可愛らしい。
しかし、人に恨みがましい視線を寄越して自分が不機嫌なことを隠しもしていない大人は以下略。
「オイ、プリンがひとつしかねェってどーゆーことだ?純真なガキ食い物で釣って何する気だコノヤロー。しかもオマエ、お世話になってる先生に向かって薄気味悪いって言ったかコラ?」
どっかりと僕の横に腰を下ろす、その行動一つ一つが乱暴で雑で。そんなにプリンが欲しかったのかといってやると、
「違ッげェよバカ!いや、違わないけども、俺はオマエに人としての礼儀ってものをだな―――」
なんてブチブチ文句をたれる大人ってヤツは、本当に、本当に見ったくなくて、無様で、可哀相で、
同時にどうしようもなく可愛い。
「はいはい、わかりましたスミマセンでした。-―はいどうぞ。あんたの分のプリンです。まったく、そんなに余りモンのデザートに執着してんだったらたまには自分で早起きしてきてくださいよ」
わかりました?といってやってもその眼はアホみたいに見開かれていて、その一瞬の後には子供みたいにキラキラと輝いた。そんなに嬉しかったのか。
んだよあるなら早く出せってんだツンデレかコラとかいいながら、戻ってきた神楽ちゃんと仲良くスプーンを構えていただきますをする子供達に、僕はいつものように「はい、どうぞ」なんて、母親じみた視線を送ってしまうのだった。
2009/11/21
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