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キターー(゜∀゜)ーー!!!!

某所で立ち上げられたステキ企画。
美麗銀新絵師様達による合作カレンダーが、ついに、手元に届いたんです。

ホントもう、どこからツッコんだらいいのか(笑)
皆さん全力でステキでラブラブでときにバカらしい銀新を描ききっているので
見ていて全然飽きてこないんです!!!

あぁ~~~・・・仕事で疲れた脳にアドレナリンが心地好い・・・


この場を借りても言う意味はないと思うのですが、

主催者様、絵師様、ホントにありがとうございます!
銀新最高!!!!


つづきは短編です。陰陽師編後の万事屋で・・・




願い事ひとつだけ・・・
 
 

 
「強くなりたいんです」 といったらあなたは苦く笑った。
 
「なればいいじゃん」
 
そういって、読んでいたジャンプに再び目を落とす。
いつものようにそっけない態度。
まあ、こんな反応なんじゃないかと予想はしてた。
なにせ、必殺技はいらないと豪語する人だ。まったく、向上心のかけらもない。
 
「銀さん、僕は至ってまじめなんですよ?」
めげずに声をかけてみる。
「…ん――…」
聞いてんだか聞いてないんだか分からない返事を返された。
いや、絶対聞いてるよ。
さっきからおんなじページを視線がいったり来たりしてるもの。
 
銀さんはもう強さとかに興味はないんだろうか。
もっと強く、逞しく、じりじりと上を目指す感覚。
大事なのは日々の鍛錬の積み重ね。
苛め抜いた筋トレで、腹筋が痙攣する喜びを享受し、
風呂上りにふと、鏡の前で理想の姿と今の自分を比べるような、そんな鍛錬の日々。
 
きっともう銀さんは要らないんだろうな。
普段はダラダラと、至極弛緩しきった生活をしているくせに、一皮むけばちゃんと筋肉ついてるし。
荒々しく、力強い太刀筋は見ほれるほどだし。
悔しいことに、やはりそれは、僕が理想とするところの雄姿に限りなく近い…
マジで、悔しいけど、理不尽さを感じずにはいられないけども。
 
もちろん銀さんみたいになれるなんて、思っちゃいない。
周りの人 (特に自称義兄の近藤さん) なんかは、いつかなれるさ、なんていってくれるけど、別にいいんだ。
これは諦めなんかじゃない。
情けなくもあるんだけど、なんて言うのかな……、そんなんじゃなくて……、
 
 
「――――…銀さん、僕は、ずっとアンタの、アンタ達の隣に居たいんだよ」
 
ずっと、死ぬまでなんて分からないけど、できる限りずっと、アンタ達のそばにいる。
いつか口にした言葉が、その衝動の全て。
 
こいつらに付き合ってたら、それこそ命がいくつあっても足りない。
んでもって、どうせ一緒にいるなら、息切れせずに、いつも笑いあっていたい。
きっと、二人はへばった僕に「おぉ~い、しっかりしろよダメガネェ」 なんていいながら、
小突きつつも、付き合ってくれるんだろうけど。
そんなんじゃさ、僕は満足できないんですよ?生意気にも。
「ダメガネのくせにィ~」 とか、「あんま俺より目立ってんじゃねぇーぞ、コラァ」 とかって、いわれたいんだよ。
 
アンタ達の”強さ”が、僕の標だから、アンタ達の”優しさ”が、僕の宝だから。
どうか、この手で守らせて。
 
 
 
「……ふぅ~ん……そう…あついね、ぱっつぁん」
また、微かな反応。オイ。
「………」
そろそろ、ムカついてきて、あきらめようかな、と考え出す。
そもそも、この人に頼ろうとした自分がバカだったんだ。
そうだよ、少しでも、強さの片鱗に触れられるんじゃないかなんて、ホントばか…
と、そこまで考えたところで、不意に銀時が口を開いた。
 
 
 
「…そんなんしないでもさ、今まで通り、俺らが護ってやんのに、」
なにをマジになってんだか、といった。
 
 
 
…え…、いや、でも……、…そんなん、
「そんなん、当たり前ですよ!大体っ…、大半の問題は銀さんのとっから沸いて出てくるんですから、
放っておいたら、それこそ、侍の風上にも置けない真のマダオでしょうが!」
なんていいながら、なんだか鼻の奥がジーンってなって、
喉が、ぎゅーって苦しくなってくる。
 
 
(だから違うのに、一緒に戦いたいのに、護ってやるなんていってくれるなよ!)
 
必死に沸いてくる喜びと哀しみに耐えながら、伝わらないもどかしさに歯噛みする。
 
(お願いだから、傍にいてもいいと思わせてくれよ…っ!!)
 
気がつくと、いつの間にか銀時がすぐ近くまで来て立っていた。
寝転がっていたソファには、ジャンプが開いたまま、ひっくり返して置いてある。
 
(こんなときでもページはキープかよ、こんちくしょー…。折り目つくからやめろっていってんのに)
 
全然関係のないことに思考を向けさせようとするが、無駄だった。
銀時の色素が薄くて、年中冷たい手が、そっと、新八の頭に乗せられる。
 
 
「なぁ、新八。俺たちはお前を手放したりしねえよ?必要なら必要な分だけ、手ェ握る力を強くするだけよ。
だったら、お前が今じれる必要はねェ。そうだろ?」
 
いつになく、いつになく優しい目で新八を見下ろす。
それは、父でもなければ、兄でもないものから与えられる慈愛の波長。
助手とか、相方とか全てのものを超越した、ともすれば、最も今の新八という存在の近くにいるもの。
 
なんなんでしょうね、僕たちは。ねぇ?銀さん。
家族じゃないけど、離れがたい。命に変えても護りたいもの。
いや、護ろうとしなくても、きっと、身体が脊髄反射で反応するよ、間違いなく。
 
 
 
護りたい。
思うことが一緒なら、心配することはない。
 
 
いいえ。
 
 
いいえ、銀さん。
涙が一筋、微笑を伝って落ちた。
 
 
 
どうか、この手に、溢れんばかりの力を!
 
 
 
この人の心に、これ以上哀しみを積もらせないための力を、
 
 
 
―――どうか、与えてください。
 
 
 
 
一度堰を切った涙は、静かに流れ続ける。
銀時は頭に乗せていた手を、新八の感情のまま歪められた頬に持ってきた。
 
「んだよ、嬉し泣きか?新八」
 
そんな訳ないだろ!
どうせ分かってるくせに、こういう時だけこの人は、まるっきり鈍い振りをする。
その顔に意地の悪い笑みを浮かべて、もう、からかいモードに入っている。
ホントに喰えない人だ。心底憎らしい。
 
頬に添えられた低い体温が、上気した熱を吸い込んでいくのが分かる。
気持ちよさに目を閉じる。
 
あぁ、見っとも無い。
こんな姿をさらすから、この天邪鬼で心配性なマダオは、憎まれ口で僕を押さえ込むんだろうな。
まるで緩衝材でぐるぐる巻きにくるんでダンボールにしまいこまれるみたいだと、
想像して、少し、笑えた。
 
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
傍にいられる条件が強さじゃないと分かっていても、望まずにはいられない。
願いがまるで鳴り止まない鐘の音のように響いている、そんな16歳、新八でした。



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